フリーランスの働き方とは?キャリア戦略やメリット・デメリットを解説

フリーランスの働き方とは?3つのキャリア戦略やメリット・デメリットを解説

「フリーランスってどういう働き方なの?」
「フリーランスって、本当に自分にもなれるんだろうか…」
「会社員と比べて、実際どんな働き方ができるんだろう?」

将来への漠然とした不安から、そんな風に情報収集を始めた、かつての僕のようなあなたへ。

近年、フリーランスという働き方は、もはや特別なものではなくなりました。内閣官房の調査によると、2020年時点で、日本のフリーランス人口は462万人にものぼるとされています。(出典:内閣官房「フリーランス実態調査結果」

この記事は、そんな新しい時代の「当たり前」になりつつあるフリーランスという選択肢について、あなたの漠然とした憧れを「具体的なキャリアプラン」に変えるための、最初の教科書です。

他のメディアが教えてくれない、リアルな3つの働き方モデルまで、徹底的に解説します。

目次

【診断】あなたはどのタイプ?3分でわかるフリーランス働き方診断

「フリーランスの働き方」なんて、難しく考える必要はありません。

まずは、あなたがどんな働き方に心地よさを感じるのか、現在地を確認するための、簡単な診断から始めてみましょう。

以下の5つの質問に、直感で「Yes」か「No」で答えてみてください。

1.一つのことを突き詰めるのが好きだ
2.人に仕事を任せるのが得意だ
3.新しいスキルを学ぶことにワクワクする
4.安定よりも、変化や挑戦を好む
5.収入の柱は、複数あった方が安心する

この診断の詳しい結果は、記事の後半で解説します。

もし、あなたが「Yes」の数で一喜一憂していたり、「自分はどれにも当てはまらないかも…」と感じていたりしても、全く問題ありません。

なぜなら、フリーランスの働き方に、唯一の「正解」はないからです。この記事を読み終える頃には、あなただけの「答え」が、きっと見つかっているはずです。

第一部:【フリーランスの基礎】今さら聞けない「働き方」の基本

3つの働き方モデルという、この記事の核心に触れる前に、まずは少しだけ、基本的なことについて認識を合わせておきましょう。

「そんなこと知ってるよ」と思うかもしれませんが、この「基本」を自分自身の言葉で説明できるかどうかが、あなたのフリーランスのキャリアを、そしてクライアントとの交渉を、大きく左右します。

フリーランスとは?会社員や個人事業主との違い

「フリーランス」と「個人事業主」、そして「会社員」。この3つの違い、あなたは明確に説明できますか?

フリーランス個人事業主会社員
働き方特定の企業に属さず、案件ごとに契約を結ぶ「働き方」そのものを指す言葉。税務上の「区分」。税務署に開業届を提出した個人。企業と雇用契約を結び、労働力を提供する。
契約形態業務委託契約(準委任・請負)雇用契約
社会的信用△(会社員よりは低い)△(フリーランスと同じ)◯(最も高い)

多くの人が混同しがちですが、フリーランスは「働き方」を、個人事業主は「税務上の区分」を指す言葉です。

つまり、「個人事業主として、フリーランスという働き方を選択している」というのが、最も正確な表現になります。

なぜ、この違いを理解しておくことが重要なのか?

それは、クライアントとの契約や、社会的な手続き(ローンや賃貸契約など)の際に、この言葉の定義が、あなたの立場を明確にするための基礎知識となるからです。

フリーランスのメリット・デメリット

では、会社員という安定を捨ててまで、フリーランスになるメリットとは何でしょうか?僕自身が感じている、リアルなメリットとデメリットをお話しします。

▼メリット

メリット解説
収入の上限がない会社員時代、どれだけ成果を出しても給料はほぼ横ばいでした。しかし、フリーランスは、自分のスキルと努力次第で、収入をどこまでも伸ばせる可能性があります。
働く場所と時間を選べる今、僕はこの記事を、近所のカフェで書いています。会社員時代には考えられなかった、この「自由」こそが、最大のメリットかもしれません。
人間関係のストレスが減る苦手な上司や、気の合わない同僚との付き合いは、もうありません。誰と仕事をするかを自分で選ぶことができます。

▼デメリット

デメリット解説
収入が不安定これは、多くのフリーランスが抱える最大の課題です。実際に、内閣官房の「フリーランス実態調査結果」でも、実に56.6%の人が「収入が不安定なこと」を障壁として挙げています。(出典:内閣官房「フリーランス実態調査結果」)僕自身、クライアントの都合で、ある日突然、契約が終了するリスクは常に感じています。
全てが自己責任確定申告や保険の手続きといった面倒な事務作業から、体調管理、モチベーションの維持まで、全てを自分一人で管理しなければなりません。
社会的信用が低い会社員時代は当たり前のように組めた、住宅ローンやクレジットカードの審査に、驚くほど通らなくなります。

フリーランスの代表的な職種一覧

フリーランスと一言で言っても、その仕事内容は多岐にわたります。
ここでは、特に需要が高く、未経験からでも目指しやすい代表的な職種をいくつか紹介します。

職種仕事内容の例
ITエンジニアWebサイトやアプリケーションを開発する、まさに現代の「手に職」。プログラミング言語という専門スキルを武器に、高単価を狙いやすい職種です。
WebデザイナーWebサイトの見た目を設計する仕事。デザインスキルだけでなく、ユーザーの使いやすさを考える「UI/UX」の視点が、ますます重要になっています。
WebライターWebサイトの記事や、メルマガの文章などを執筆する仕事。SEOやセールスライティングの知識を掛け合わせることで、価値を高めることができます。
WebマーケターSEOや広告運用、SNS活用などを通じて、Webサイトの集客や売上を最大化する仕事。僕の専門も、この領域です。

これらの職種に共通するのは、場所を選ばずに働けるということ。そして、あなたの「好き」や「得意」を、「稼げるスキル」に変えられる、大きな可能性を秘めているということです。

フリーランスに必要なスキルについて詳しく書いた記事もあるので読んでみてください。

第二部:【キャリア戦略編】収入と自由を最大化する3つの働き方モデル

さて、ここからが本番です。
フリーランスの基本的な働き方を理解した上で、巷の教科書には載っていない、一歩先の「リアルな働き方」の話をします。

あなたが本当に手に入れたい「収入」と「自由」を最大化するための、3つのキャリア戦略モデル。
ぜひ、診断結果と照らし合わせながら、「自分なら、どの道を歩みたいか?」を想像してみてください。

モデル①:専門性を極める「スペシャリスト」

これは、特定の分野のスキルを誰にも負けないレベルまで突き詰め、その道の「伝説の職人」を目指す、最も王道ともいえるキャリアパスです。

どんな人に向いている?

診断で「1. 一つのことを突き詰めるのが好きだ」に「Yes」と答えた、探求心旺盛なオタク気質のあなたに、最もフィットする働き方です。

流行り廃りに流されず、自分の好きな分野や得意なスキルを、誰にも負けないレベルまで深掘りすることに喜びを感じる。一つの技術を磨き上げ、その道の第一人者として認められることに、強い達成感を覚える。

そんな「職人」のような気質を持つ人にとって、この道はまさに天職となるでしょう。

▼具体的には、こんな人です
・一つのことを始めると、寝食を忘れるほど没頭してしまう。
・「なぜ?」を突き詰めて考えないと気が済まない。
・自分の知識やスキルで、誰かの問題を鮮やかに解決することに快感を覚える。
・チームで賑やかにやるより、一人で黙々と作業に集中したい。
・「広く浅く」よりも「狭く深く」という言葉に、強く惹かれる。
・自分の「作品」や「仕事の流儀」に、強いこだわりとプライドを持っている。

【MBTIでいうと?】
あくまで傾向ですが、ISTJ(管理者)やINTJ(建築家)、INTP(論理学者)といった、内向的(I)で、物事を深く思考する(T)タイプの人に、この「スペシャリスト」の気質が強く見られるかもしれません。

収入モデルと、単価を上げる方法

スペシャリストの収入は、「稼働時間 × スキル単価」という、極めてシンプルな式で決まります。
単価を上げる方法は、ただ一つ。その分野で「あなたにしかできないこと」を増やすことです。

例えば、ただのWebデザイナーではなく、「ShopifyのUI/UX改善なら、右に出る者はいない」というレベルまで専門性を高めれば、あなたの時間単価は数万円にまで跳ね上がるでしょう。

直面するリアルな壁:「売上の頭打ち」とその乗り越え方

この働き方の最大の魅力は、好きなことを追求して、高い収入を得られること。しかし、収入には必ず「上限」が来ます。

なぜなら、あなたの稼働時間には限りがあり、どんなにスキル単価を上げても、市場にはある程度の「相場」が存在するからです。日本一のSEOコンサルタントになれる、という自信がない限り、年収1,500〜2,000万円あたりが、現実的な頭打ちラインになるでしょう。

この壁を乗り越えるには、自分のスキルを体系化して「教育」の分野に進出したり、後述する「経営者」の視点を取り入れたりする必要があります。

モデル②:事業を拡大する「経営者」

これは、一人のプレイヤーとして戦うのではなく、チームを作ったり、法人化したりして、事業そのものを大きくしていく、「船長」のようなキャリアパスです。

どんな人に向いている?

診断で「2. 人に仕事を任せるのが得意だ」に「Yes」と答えた、人を巻き込み、大きなことを成し遂げたいあなたに向いています。

自分がプレイヤーでいることよりも、監督としてチームを勝利に導くことに喜びを感じる。人に仕事を任せ、その人の成長をサポートすることにやりがいを感じる。

自分の専門分野だけでなく、営業、マーケティング、採用、経理といった、事業全体を動かすことへの好奇心が強い。そんな「プロデューサー」や「監督」のような視点を持つ人には、最高のキャリアパスです。

▼具体的には、こんな人です
・自分が手を動かすより、全体の戦略を考えている時間の方が好きだ。
・「どうすればもっと儲かるか?」という事業の仕組みそのものを考えるのが得意。
・人に仕事を「お願い」したり、「任せたり」することに、心理的な抵抗がない。
・初対面の人とでも、すぐに打ち解けて話すことができる。
・面倒な交渉事や、泥臭い営業活動も「ゲーム」として楽しめる。
・「最終的な責任は、すべて自分が取る」という覚悟がある。

【MBTIでいうと?】
あくまで傾向ですが、ENTJ(指揮官)やESTJ(幹部)といった、外向的(E)で、人を動かし、合理的な判断を下すのが得意なタイプの人に、この「経営者」の素養が見られることが多いです。

収入モデルと、利益を最大化する方法

経営者の収入モデルは、スペシャリストとは全く異なります。自分の稼働時間ではなく、「事業が生み出す利益」が、あなたの収入になります。

利益を最大化するには、自分が得意なこと以外(例えば、ライティングやデザイン)は、積極的に他のフリーランスに任せ、自分は「クライアントとの関係構築」や「新しい事業の企画」といった、自分にしかできない仕事に集中することが重要です。

直面するリアルな壁:「やりたくない仕事」との向き合い方

この働き方の魅力は、収入の上限がないこと。しかし、その分、専門外の「やりたくない仕事」も、全て自分で引き受ける必要があります。

採用、マネジメント、経理、そして何よりも「営業」。どんなに素晴らしいチームを作っても、仕事がなければ、船は沈んでしまいます。

自分の専門性を磨く時間と、経営者としてのスキルを学ぶ時間のバランスを、常に意識する必要があるでしょう。

フリーランスに必要なコミュニケーションについて書いた記事もあるので読んでみてください。

モデル③:複数の収入源を持つ「ポートフォリオワーカー」

これは、一つの仕事に依存せず、複数の収入の柱を意図的に作り、組み合わせることで、リスクを分散させながら、自由な働き方を実現する、「自由な冒険家」のようなキャリアパスです。

ちなみに、僕が現在目指しているのが、この働き方です。

どんな人に向いている?

診断で「3. 新しいスキルを学ぶことにワクワクする」「4. 安定よりも、変化や挑戦を好む」「5. 収入の柱は、複数あった方が安心する」に「Yes」が多かった、好奇心旺盛で、バランス感覚に優れたあなたに最適です。

一つのことだけを続けるよりも、複数の異なるプロジェクトに同時に携わることで、常に新しい刺激を得たい。特定のクライアントや事業に依存するのではなく、リスクを分散させながら、自分の裁量で仕事のポートフォリオを組んでいきたい。

そんな、変化を楽しみ、自分自身の力でキャリアを組み立てていくことに喜びを感じる「冒険家」タイプの人に、最もフィットする働き方と言えるでしょう。

▼具体的には、こんな人です
・正直、一つのことだけをずっとやっていると飽きてしまう。
・「面白そう!」と思ったら、すぐに行動しないと気が済まないタイプだ。
・複数のタスクを同時進行で進めることに、むしろ楽しさを感じる。
・収入源が一つしかない状態に、強い不安やリスクを感じる。
・完璧な計画を立てるより、走りながら考える方が得意だ。
・自分の時間割を、完全に自分の裁量でコントロールしたい。

【MBTIでいうと?】
あくまで傾向ですが、ENFP(広報運動家)やESTP(起業家)といった、新しい可能性に常にオープンで、柔軟な知覚的態度(P)を持つタイプの人に、この「ポートフォリオワーカー」の働き方がフィットしやすいかもしれません。

収入モデルと、収入の柱を3つ作る方法

この働き方の肝は、性質の異なる収入源を組み合わせることです。

  1. フロー収入: クライアントワークなど、働いた分だけ確実に入ってくる、安定の柱。
  2. ストック収入: ブログのアフィリエイトや、YouTubeの広告収入など、時間をかけて育てていく、資産の柱。
  3. スポット収入: 単発のコンサルティングや、オンライン講座の販売など、自分の知識を切り売りする、高単価の柱。

まずは、クライアントワークで安定した基盤を作りながら、空いた時間でブログやSNSといった「ストック収入」の種をまき、専門性が高まった段階で「スポット収入」を狙うのが、王道のステップです。

直面するリアルな壁:「器用貧乏」の罠とその抜け出し方

この働き方の最大の魅力は、精神的な安定と自由度の高さです。しかし、一歩間違えると、全てが中途半端な「器用貧乏」に陥るリスクがあります。

常に複数のプロジェクトが同時進行するため、高いタスク管理能力と、何に注力し、何を「やらないか」を見極めるセルフマネジメント能力が、他のどのモデルよりもシビアに求められます。

【もう一つの選択肢】「戦略的会社員」という道も、立派な正解だ

ここまで、フリーランスとしての3つの働き方モデルを解説してきました。

しかし、僕がこの記事で伝えたいのは、「フリーランス最高!今すぐ会社を辞めよう!」ということでは、決してありません。

むしろ、一度フリーランスという「外の世界」を知ったあなただからこそ、「会社員に戻る」という選択肢が、以前よりもずっと強力なカードになり得る、という事実です。

もし、あなたが3つのモデルのどれにもしっくりこなかったり、自己診断の結果、「安定」や「チームでの達成感」を何よりも重視するタイプだと気づいたりしたのなら。

それは、あなたがフリーランスに向いていない、ということではありません。会社というプラットフォームを、より戦略的に活用できるという、新しい可能性に気づいた、ということなのです。

フリーランスとして培った自己管理能力、課題解決能力、そして何より「経営者の視点」。
その武器を持って会社に戻れば、あなたはもはや、ただの「従業員」ではありません。

会社のリソースを最大限に活用しながら、事業を内部から動かすことができる、「社内フリーランス」とも呼べる、唯一無二の存在になれるはずです。

フリーランスになることだけが、キャリアアップではありません。
自分に合った環境で、自分らしく価値を発揮すること。その選択肢の一つとして、「戦略的会社員」という道があることを、どうか忘れないでください。

まとめ:「次のステージ」へ進もう

フリーランスの働き方は、一つではありません。

専門性を極める「職人」の道も、
事業を拡大する「船長」の道も、
自由を追求する「冒険家」の道も、

そして、あえて会社に戻るという「戦略家」の道も。

どの道を選ぶにせよ、そこに優劣はありません。唯一の正解は、あなた自身の心が「これだ」と、ワクワクする道を選ぶことです。

この記事が、あなたの漠然とした不安を晴らし、自分だけの「働き方」を見つけ出すための、信頼できる相棒になれたなら、これほど嬉しいことはありません。

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この記事を書いた人

フリーランスとして活動中です。得意分野はSEO / コンテンツマーケ / Webマーケティング。(SEO歴6年)。主にフリーランス、ブログ運営に関する情報を発信していきます。

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