仕事が終わらない原因は「迷い」だった。「制限時間」仕事術

仕事が終わらない原因は「迷い」だった。制限時間仕事術

フリーランスとして働く僕たちの日常は、

「このスライド、もう一枚追加すべきか…?」
「この表現、もっと伝わる言葉はないか…?」

といった、無数の「迷い」に満ちています。そして、この迷っている時間こそが、知らず知らずのうちにあなたの貴重な時間を蝕んでいく真犯人なのかもしれません。

もし、あなたが過去の僕と同じように「なぜかいつも仕事に時間がかかってしまう」と感じているなら、朗報です。

この記事では、全てのタスクに「制限時間」を設けるという、たった一つのシンプルなルールによって、その呪縛から解放される方法を解説します。

  • 完璧主義を手放し、仕事が「さくさく進む」感覚を手に入れる方法
  • 質を落とさずに、むしろ質を上げながら、アウトプットの速度を倍増させる思考法

僕自身のリアルな失敗談と、そこから得た学びの全てを、あなたにお伝えします。


目次

過去の僕:誰も気にしない「神は細部に宿る」という呪い

SEOコンサルタントの僕が、日々向き合っている仕事

本題に入る前に、普段の僕がどのような仕事をしているか、少しだけお話しさせてください。SEOコンサルタントというと華やかに聞こえるかもしれませんが、その実態は非常に地道な作業の連続です。

主な業務内容
SEO戦略の策定・見直しクライアントのビジネスを理解し、数ヶ月先までの戦略を練り上げる
資料作成Googleスライドを使い、クライアントとの定例会議のための資料を毎週のように作成する
データ分析Googleスプレッドシートや専門ツールと睨めっこし、膨大なデータから課題や機会を発見する
施策の企画・提案Googleドキュメントやスライドで、具体的な改善施策の要件をまとめ、提案する
ワイヤーフレーム作成Figmaを使い、新しいページや改善案の設計図を描く

これらの仕事は、どれも高い思考力が求められます。そして、その一つひとつに「もっと良くできるのではないか?」という完璧主義の罠が潜んでいるのです。

100点満点の資料を目指し、時間を溶かしていた日々

かつての僕は、これらの仕事に膨大な時間を費やしていました。

クライアントワークで、誰も気づかないようなスライドの配色や、図形の配置のズレを延々と修正する。その根底にあったのは、「100点満点の完璧なアウトプットを出さなければならない」という、今思えば呪いのような強迫観念でした。

「完璧主義をやめたい」という悩みについて切り込んだ記事もあります。合わせて読んでみてください。

手が止まる原因は「無数の選択肢」と「決断の先延ばし」

「A案とB案、どっちがいいだろう…」
「もっと良いデータはないか、探してみよう…」

質の高さを追求すればするほど、選択肢は無限に広がります。そして、その無限の選択肢の前で、僕は思考を停止させ、決断を先延ばしにし、ただ時間だけを浪費していたのです。

下記のようなことが積み重なると想像以上に膨大な時間とエネルギーを浪費してしまうのです。

《無意識に手が止まってしまう「迷い」の具体例》
– メールの文面で「存じます」と「思います」のどちらが適切か、延々と考えてしまう
– 資料のロジックが弱い気がして「突っ込まれるかも…」と不安になり、補足データを延々と探し始める
– Aという問題を解決するために、もっと良い方法があるかもしれないと、ネット検索が止まらなくなる
– このグラフは円グラフがいいのか?それとも棒グラフがいいのか?とツールの前で固まる
– スライドのタイトルは、もっと気の利いたものがいいのではないかと、何パターンも作り始める

このように「迷う」行為は、単に時間を奪うだけではありません。

心理学では「決断疲れ(Decision Fatigue)」という概念があり、人は小さな決断を繰り返すだけで精神的なエネルギーを消耗してしまうことがわかっています。つまり、「スライドの配色をどうしようか」と迷うことは、その後のより重要な戦略的判断の質を低下させていたのです。


転機:僕を完璧主義の呪いから救った「まゆ毛」と「20分」の衝撃

ある日発見した「成果の変わらない努力」という不都合な真実

そんな僕を救ってくれたのは、意外にも、仕事とは全く関係のない日常の習慣でした。

僕には水曜日と土曜日の週に2回、まゆ毛とほほ毛を抜くというルーティンがあります。いつもはダラダラと時間を気にせずやって1時間くらいかかっていました。

ある日、ふと「試しに20分でやってみるか」と実験してみたのです。

そして、タイマーが鳴り、鏡を見て気づいた衝撃の事実。
それは——「結果は、ほとんど何も変わらなかった」ということでした。

実際にまゆ毛、ほほ毛現象に気づいた日のObsidianのデイリーノートを抜粋

「まゆ毛・ほほ毛現象」と名付けた、生産性最大の敵

この体験は、僕にとって雷に打たれたような衝撃でした。

「成果が変わらない時間に、自分は命(時間)を削っていたんだ」

僕はこの現象を「まゆ毛・ほほ毛現象」と名付けました。これは、僕たちの仕事のあらゆる場面に潜んでいます。

【表1:「まゆ毛・ほほ毛現象」の具体例】

行動投下時間成果への影響判断
スライドの配色調整60分+2点まゆ毛現象
誤字脱字の最終チェック10分+10点価値ある時間
資料の根幹をなすデータ分析120分+50点価値ある時間
メール文章の過度な推敲30分+1点まゆ毛現象

この「まゆ毛現象」に気づき、意識的に排除すること。それが、生産性向上の第一歩だったのです。


生産性が爆上がりする「制限時間」仕事術の具体的なやり方

ステップ1【計画】:朝、すべてのタスクに「賞味期限」を入れる

まず、朝の計画段階で、その日にやるべき全てのタスクに「賞味期限」を設けます。僕の場合は、以前の記事で紹介した「松竹梅ToDo」をアップデートし、各タスクの横に制限時間を書き込んでいます。

例)
– A社の提案資料の作成(120分)
– B社の数値分析(60分)
– C社の定期MTGの資料の修正(30分)

これが、その日の「ゲームのルール」になります。

Obsidianのデイリーノートを抜粋(ToDoリスト)
僕が実際に毎日やっているToDo整理(ObsidianのDailyノート)

ステップ2【実行】:タイマーをセットし、「迷う暇」を物理的になくす

タイマーをセットする前に、一つだけ重要な心構えがあります。

それは「完璧な仕事など存在しない」と受け入れることです。資料でも、提案でも、企画でも、100点満点のアウトプットは幻想にすぎません。

大切なのは、目的や目標に向かって、仕事を「前に進める」こと。この考え方を土台にして初めて、制限時間術は真価を発揮します。

準備ができたら、タスクを始める際に、スマートフォンのタイマーなどをセットし、カウントダウンを開始します。

このようにタイマーを使って作業時間を区切る方法は、世界的に有名な生産性向上術である「ポモドーロ・テクニック」の考え方にも通じます。

このテクニックは「25分集中+5分休憩」を繰り返すことで集中力を維持するものですが、その本質は「時間を区切ることで、目の前のタスクに強制的に集中する環境を作り出す」ことにあります。

作業と休憩のセッションを交互に繰り返すのが、ポモドーロテクニックの仕組みです。

25 分間の作業セッションである「ポモドーロ」の後、5 分間の休憩を取ります。ポモドーロを 4 回繰り返したら、30 分程度の長い休憩を取ります。短時間のセッションで作業を集中的に行うことで、生産性を高めつつ、モチベーションも維持できます。

引用:ポモドーロテクニックとは?仕事の生産性を上げる時間管理術|asana
https://asana.com/ja/resources/pomodoro-technique

これは単なる時間管理術ではありません。
制限時間があることで、僕たちの脳は強制的に「どうすれば時間内に終わらせられるか?」という思考に切り替わります。

  • 「このタスクの最も重要な本質は何か?」
  • 「やらなくてもいい些末なことは何か?」

細部にこだわる時間が物理的に奪われることで、自然と物事の「コア」に集中できるようになるのです。

ステップ3【評価】:「完了」を積み重ね、ゲームのように楽しむ

そして、タイマーが鳴る前にタスクを終えられた時の、あの快感。
これは、ドーパミンが放出される「小さな成功体験」です。

この「完了」の快感が、次のタスクへのモチベーションに繋がり、一日を通して高い集中力を維持させてくれます。

この完了体験をさらに加速させるのが、僕が実践しているObsidianのDailyノートを活用した自己採点システムです。詳しくは下記の記事で紹介しているので、読んでみてください。


結論:「完璧」を目指すな、「完了」のタイムアタックを楽しめ

仕事の価値は「細部」ではなく「速度」と「本質」で決まる

この考え方は、決して手抜きを推奨するものではありません。

Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグが掲げた有名なモットー「Done is better than perfect. (完璧より完了)」が示すように、ビジネスの世界では、完璧を目指して時間を浪費するよりも、まずは不完全でもいいから「完了」させ、そこから改善を繰り返すことの方が、はるかに大きな価値を生むのです。

あなたが1時間かけて磨き上げた資料の「細部」は、残念ながら、クライアントは気づいていないかもしれません。

しかし、あなたが「速度」を上げて届けた仕事の「本質(コア)」は、確実に相手のビジネスを前に進め、価値を提供します。

今すぐ始められる、人生を変えるかもしれない「30分タイマー」

完璧主義は、長年の思考の癖です。明日から急に変われるものではありません。

だからこそ、まずはたった一つ、試してみませんか?

明日、一番最初に取り組むタスクにだけ、スマートフォンのタイマーで「30分」と設定してスタートボタンを押してみてください。

その30分が、あなたを長年の呪いから解放する、最初の魔法になるかもしれません。

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この記事を書いた人

フリーランスとして活動中です。得意分野はSEO / コンテンツマーケ / Webマーケティング。(SEO歴6年)。主にフリーランス、ブログ運営に関する情報を発信していきます。

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