「SEOでフリーランスになるってどうなの?」
「今の会社、人間関係もいいし、仕事も楽しい。でも、このままでいいんだろうか…?」
「自分のSEOスキルって、会社の外でも通用するのかな…」
「フリーランスって響きはいいけど、実際は不安定で大変なんじゃないか…?」
かつての僕も、あなたと全く同じことで悩んでいました。会社員としての毎日に満足しながらも、心のどこかで将来への漠然とした不安を抱え、一歩を踏み出せずにいたのです。
この記事は、そんな過去の自分のようなあなたへ送る、「超実践的な教科書」になれば嬉しいと思って書いてみました。
読み終える頃には、SEOフリーランスという選択肢に対する漠然とした不安が、「これなら自分にもできるかも」という具体的な自信に変わっているはずです。
結論:周到な準備があれば、SEOフリーランスは後悔しない選択肢になる
結論から言えば、しっかりとした準備と戦略さえあれば、SEOのフリーランスはあなたのキャリアを飛躍させる、後悔のない選択肢になります。
巷でささやかれる「やめとけ」という声は、準備不足のまま勢いで独立してしまった人の意見であるケースがほとんどです。この記事では、僕が実際に会社員からSEOフリーランスになるまでに実践した「失敗しないための準備」を、余すことなくお伝えします。
なぜ僕がSEOフリーランスの道を選んだのか?
独立を決意する前の、僕自身のリアルな経験をお話しさせてください。きっと、あなたの状況と重なる部分があるはずです。
楽しさと裏腹に感じていた「将来への漠然とした不安」
独立直前は複数のメディアを運営するベンチャー企業で1つの領域のSEOチームのリーダーとして、メンバーにも恵まれ、仕事は本当に楽しかったです。
でも、給与明細を見るたびに「自分の市場価値ってこんなものか…」と感じたり、このまま昇進していく自分の姿を想像しても、全くワクワクしなかったり…。そんな「楽しさ」と「将来への不安」の板挟み状態でした。
当時の僕が、自分の気持ちを整理するために書きなぐったメモが残っています。
自分はどうなりたいのか?
- 専門性を高めて、自分の力で稼げるようになりたい
- Webマーケティングのプロフェッショナルになりたい
- 時間や場所に縛られずに、もっと自由な働き方がしたい
- 面白い仲間と、面白い仕事がしたい
こんな漠然とした思いを抱えながらも、日々の業務に追われ、具体的な行動に移せないでいました。
決意のきっかけは「理想の将来像」を言語化したこと
そんなモヤモヤを抱えていたある日、「自分は本当はどうなりたいんだっけ?」と本気で向き合ってみたんです。
Evernoteを愛用しているので、新たな「将来どうなりたいんだっけ?」というタイトルのノートを作り、ひたすら自分の正直な気持ちを言語化しました。
その結果、「会社に依存せず、自分のスキルで稼ぎ、キャリアを自由にコントロールしたい」という明確な願望に気づきました。この「理想の将来像の言語化」こそが、僕が独立を決意した最大のきっかけです。
より詳しい経緯は、こちらの記事にまとめています。

SEOフリーランス独立前に立ちはだかる「3大不安」の乗り越え方
ここからは、あなたが最も気になっているであろう、具体的な「不安の乗り越え方」を解説します。僕自身が実践した、超具体的な方法です。
その前に、少し客観的なデータを見てみましょう。
内閣官房が発表した「フリーランス実態調査(令和2年5月)」によると、フリーランスとして働く上での障壁として、最も多くの人が挙げたのは、以下の3つでした。
- 収入が不安定なこと(56.6%)
- 仕事が継続的にあるかということ(39.1%)
- 病気や怪我で働けない時の所得保障がないこと(33.5%)
やはり、誰もが「お金」と「仕事」について、強い不安を感じていることがわかりますね。
この記事では、特に多くの人が悩み、そして僕自身も直面してきた「収入」「スキル(仕事の継続性)」「人脈」という3つのテーマに絞って、僕なりの乗り越え方を具体的にお話ししていきます。
【不安① 収入】案件が途切れたら…?→「転職型独立」で解決できます
僕の場合、独立時に収入の不安は一切ありませんでした。
なぜなら、会社を辞める前にフリーランスエージェントに登録し、参画する企業を決めてから退職したからです。
僕はこれを「転職型独立」と呼んでいます。先に安定した収入源を確保することで、精神的な余裕を持ってフリーランスのキャリアをスタートできます。
▼ 転職型独立の具体的なステップ
- フリーランスエージェントに登録(複数登録がおすすめ)
- エージェントと面談し、希望条件を伝える
- 案件の紹介を受け、応募する
- 企業との面談・条件交渉
- 内定が出たら、現在の会社に退職の意向を伝える
- 退職日と案件の参画日を調整する
▼ 僕が実際に使ったエージェント
エージェント名 | メリット | デメリット |
---|---|---|
レバテックフリーランス | 高単価案件が多い、サポートが手厚い | 実務経験が求められる案件が多い |
僕がフリーランスになるまでの流れを超具体的に書いた記事もあるので、あわせて読んでみてください。

【不安② スキル】自分のSEOスキルは通用する?→「実績の棚卸し」で自信に変わる
「自分のスキルは社外で通用するのか?」という不安、よくわかります。
僕の場合は、4年間の実務経験に加えて、趣味で運営していた個人ブログを月間2万UUまでグロースさせた経験が、大きな自信になりました。
「実務経験」と「個人での実績」、この2つを客観的に棚卸しすることで、自分の市場価値が明確になります。
▼ SEOスキル棚卸しチェックリスト
- [ ] SEO戦略の立案・実行経験
- [ ] キーワード調査・選定の経験
- [ ] コンテンツの企画・制作ディレクション経験
- [ ] テクニカルSEO(内部対策)の知識・経験
- [ ] Google Analytics, Search Consoleを使った分析・改善経験
- [ ] (あれば)個人ブログやメディアの運営経験
【不安③ 人脈】コネがないと厳しい?→独立後の「誠実な挨拶」だけで十分
独立前に特別な人脈作りの活動は、実はほとんどしていません。
やったことといえば、独立後に、お世話になった元上司や同僚、先輩・後輩に「フリーランスになりました。何か手伝えることがあれば気軽に声をかけてください」とSNSなどで連絡しただけです。
もちろん、人脈はあった方が有利ですが、それよりも大切なのは、目の前の仕事に真摯に取り組み、信頼を積み重ねていくことです。
そうすれば、自然と人との繋がりは生まれていきます。無理に人脈を作ろうと焦る必要はありません。
【仕事内容】SEOフリーランスって、具体的に何するの?
「フリーランス」と聞くと、自由なイメージがある反面、具体的にどんな仕事をしているのか、イメージが湧きづらいかもしれません。
ここでは、僕が実際にクライアントから請けている業務内容を、包み隠さずお見せします。
① SEO戦略設計・実行支援
クライアントのビジネス目標達成のため、サイト全体のSEO戦略を設計し、実行まで伴走します。これは、単にキーワードを提案するだけではありません。
例えば、「toC向けサービスの会員数を増やしたい」というクライアントがいたとします。
まずは事業内容やサービスの強みを徹底的にヒアリングし、3C分析やSWOT分析を用いて、市場におけるクライアントの立ち位置を明確にします。
その上で、「どんなユーザーに、どんな価値を届けるべきか」という根幹から、具体的なキーワード戦略、コンテンツプラン、そして「半年後に月間セッション数○○、会員登録数△△」といったKGI/KPIまでを設計図として落とし込みます。
この「事業の成功から逆算する視点」こそが、フリーランスのSEOコンサルタントに求められる最も重要な価値だと考えています。
② コンテンツ制作・編集ディレクション
戦略が決まれば、それを実行部隊に落とし込むのがディレクターの役目です。
僕の場合は、まず1本1本の記事の「設計図」となる構成案を、検索意図や競合分析を元に緻密に作成します。
ここで重要なのが、ライターさんに「この記事で誰のどんな悩みを解決したいのか」という目的を明確に伝えること。
そして、納品された記事を単に「てにをは」を直すだけでなく、「この記事は読者の心を動かし、行動を促せるか?」という視点で、魂を込めて編集していきます。
DeNAのWELQ問題で学んだ「情報の正確性」と「ユーザーへの誠実さ」は、今でも僕のコンテンツ制作の根幹にあります。
③ テクニカルSEO・内部対策
「良いコンテンツを作っているはずなのに、なぜか順位が上がらない…」。
そんな時は、サイトの技術的な問題が足を引っ張っていることが多いです。
例えば、あるクライアントのサイトでは、ページの表示速度が極端に遅く、ユーザーの離脱に繋がっていました。
そこで、PageSpeed Insightsなどのツールで原因を特定し、「画像の次世代フォーマットでの配信」「不要なJavaScriptの削除」といった具体的な改善策をエンジニアと連携して実行しました。
結果として、サイトの表示速度は2秒以上改善され、直帰率の低下と検索順位の上昇に大きく貢献しました。こうした技術的な改善は、コンテンツの価値を最大化するために不可欠な土台作りなのです。
【SEOフリーランスのリアル】想像以上に良かったこと
とはいえ、やっぱり良いことばかりじゃないと、なかなか踏み出せないですよね。
ここでは、僕がフリーランスになって『想像以上に良かった』と感じている、3つのリアルな喜びをお話しします。もし、あなたなら、どんな未来を手に入れたいですか?
1. 収入が会社員時代の2倍になった
会社員時代の年収は、決して低いわけではありませんでした。それでも、フリーランスに転向してからの収入の伸びは、正直、自分の想像を遥かに超えるものだったんです。
僕の場合、「転職型独立」で事前に案件を獲得していたので、独立した初月から、会社員時代の手取り額を超える報酬が振り込まれました。初めて通帳に記載されたその金額を見た時の、「本当にこんなに稼げるのか…」という驚きと興奮は、今でも忘れられません。
そして、僕にとって大きな転機となったのが、2社目のクライアントとの出会いでした。
独立当初の収入源は1社だけでしたが、あるSEOコンサルティング会社から新たに業務委託の依頼をいただいたことで、収入はさらに安定し、大きくステップアップしました。
もちろん、ここから経費や税金が引かれるので、全てが手元に残るわけではありません。
それでも、自分のスキルが市場で正当に評価され、それが具体的な金額として返ってくる感覚は、会社員時代には決して味わえなかった、フリーランスならではの大きな喜びであり、自信に繋がっています。
ちなみに、僕の収入が大きく増えたのは、決して特別なケースではありません。
例えば、フリーランス案件紹介プラットフォームであるSOKUDANが公開しているデータによると、SEOマーケターの平均年収は828万円と、日本の平均年収を大きく上回っています。
もちろん、誰もがすぐにこの金額を稼げるわけではありません。しかし、この記事で解説するようなスキルと視点を身につけ、正しく価値提供を続ければ、会社員時代を大きく超える収入を得ることは、十分に現実的な目標なのです。
2. 無理に会社に合わせなくていい精神的な自由
会社員時代の、半年に一度の評価面談。あれが、僕にとってはなかなかきつかった…。
当時30歳。会社としては、そろそろ僕にマネージャーの役割を担ってほしかったんだと思います。でも本音は「マネジメントよりも、専門性を高めてもっと稼ぎたい」。
その本音を隠し、会社の期待に沿った「建前」のキャリアプランを語るたびに、心がすり減っていくのを感じていました。
フリーランスになって、その評価面談がなくなったこと。それが、僕にとっては何よりの「精神的な自由」です。
もちろん、クライアントの期待に応える責任はあります。
でも、そこにあるのは「事業を成功させる」という、プロフェッショナルとしての純粋な対話だけ。自分の心に嘘をつき、組織の論理に自分を合わせる必要はもうありません。
このストレスのなさこそが、日々のパフォーマンスを最大化してくれていると、心から感じます。
3. キャリアを自らの意思で決められる自己決定権
フリーランスの醍醐味は、キャリアを完全に自分でコントロールできることです。
例えば、僕のキャリアの転機となったSEOコンサル会社との出会いも、きっかけはX(旧Twitter)で見つけた募集でした。
正直、その時点では「絶対にこの仕事を取るぞ!」という強い確信があったわけではありません。「フォロワーが1.5万人もいる、このすごい会社のCEOと、一度話してみたい」。そんな軽い気持ちで応募したのが、全ての始まりでした。
また、このブログtorif
の運営を本格的に再開したのも、僕自身の意思決定です。
5年後の理想の自分から逆算した時に、「BtoCの収益源を持つこと」が絶対に必要だと考え、自らの事業として時間と労力を投資することを決めました。
誰かにアサインされるのを待つのではなく、自らの意思でチャンスを掴み取りにいき、未来への種をまく。この「キャリアを自分で創り出す」という感覚こそが、フリーランスという働き方の最大の魅力です。
フリーランスのキャリアについて書いた記事もあるのであわせて読んでみてください。

【SEOフリーランスのリアル】正直、今も大変だと感じること
もちろん、良いことばかりではありません。むしろ、大変なことの方が多いかもしれません。
ここでは、僕が今も日々直面している、フリーランスのリアルな『影』の部分を、包み隠さずお話しします。キラキラした話だけでなく、この泥臭い現実も、あなたの判断材料にしてください。
1. 毎月の収入が不安定になるリスク
フリーランスにとって、収入の不安定さは、常につきまとう永遠のテーマです。僕も、つい最近、その恐怖を改めて味わいました。
約3年間、僕の収入の約4割を占めていた、あるクライアントとの契約が、突然終了することになったのです。
隔週で行われる上長との1on1。いつも通り業務の相談をするのかと思いきや、冒頭で告げられたのは、「急で本当に申し訳ないけど、7月末で契約が終了になった」という一言でした。
その瞬間、文字通り、頭が真っ白になりました。最初にこみ上げてきた感情は、ただ一言、「やばい…」。
どれだけ収入が増えても、1社への依存度が高ければ、その契約が終了した途端に、一気に崖っぷちに立たされる。この経験から、僕は収入源を複数持つ「ポートフォリオ思考」の重要性を知らされました。
2. ふと訪れる孤独感との戦い
フリーランスの孤独には、「スキル的な孤独」と「感情的な孤独」の2種類あると、僕は感じています。
「スキル的な孤独」を感じるのは、壁にぶつかった時です。
例えば、GA4の高度な設定方法が分からなかったり、クライアントから非常に鋭い質問をされたりした時。
「あぁ、今、会社にいたら、詳しい人の席までふらっと聞きに行けるのに…!」と、何度思ったことか。Slackで質問はできても、テキストでのやり取りには時間がかかり、もどかしさを感じます。
そして、地味にこたえるのが「感情的な孤独」です。
先日、僕はDifyと格闘の末、すごい記事生成システムを構築しました。こういう時、会社員なら「見てくださいよ、これ!すごくないですか!?」って、隣の席の同僚に自慢して、一緒に喜んでもらえたはず。
でも、今はその相手がいません。喜びや達成感を分かち合えない寂しさは、想像以上に大きいものです。
フリーランスの孤独に詳しく書いた記事もあるので、あわせて読んでみてください。

3. 正しい方向に進んでいるか評価してくれる上司がいない
フリーランスには、あなたのキャリア全体を俯瞰し、「その方向で合っているぞ」と示してくれる上司はいません。だからこそ、常に自問自答し、自分で自分の羅針盤を調整し続ける必要があります。
正直に言うと、僕自身、今まさにその「危機感」の真っ只中にいます。
ご存知の通り、AIの急速な進化は、僕たちの生業であるSEOの世界を根底から揺るがしています。AI Overviewが検索流入を奪い、人々は「ググる」から「AIに聞く」へシフトし始めている。
この大きなうねりの中で、「今のスキルのままで、5年後も食っていけるのか?」という焦りは、日に日に増しています。
だからこそ、僕は行動しています。
このtorif
の運営に本気で取り組み、1つの事業やSEOに依存しない収益の柱を育てること。そして、DifyやGemini CLIといったAIツールに触れる時間を強制的に増やし、来るべき「AI時代」の専門家になるための投資を続けること。
評価してくれる上司がいないからこそ、市場の変化を誰よりも敏感に察知し、自ら未来の自分を評価し、行動を変え続けなければならない。それが、フリーランスに課せられた、厳しくもやりがいのある宿命なのです。
4. 常に最新情報をキャッチアップし続ける必要がある
会社にいれば、親切な同僚が「こんなニュース出てましたよ」と教えてくれたかもしれません。
しかし、フリーランスは、情報のインプットを怠れば、あっという間に「価値の低いコンサルタント」に成り下がってしまいます。
正直に告白すると、僕も完璧ではありません。特に、LLM(大規模言語モデル)の最適化である「LLMO」のような新しい領域については、まだまだキャッチアップが追いついていないのが現状です。
クライアントからLLMO関連の質問をされた際に、その場で慌てて調べたり、AIに聞いたりして、なんとかその場をしのいだことも一度や二度ではありません。幸い、まだ冷や汗をかくような大きな失敗には至っていませんが、「プロとして、これではダメだ」と、日々自分を戒めています。
クライアントの半歩先を行き、未来の問いに備えておくこと。そのために、海外の専門家の情報に触れたり、新しい技術に投資したりする。この学習し続ける姿勢こそが、フリーランスとしての生命線なのだと、痛感する毎日です。
まとめ:それでも僕は、SEOフリーランスの道を選んでよかった
ここまでお伝えしてきたように、SEOフリーランスは決して楽な道ではありません。
しかし、会社員のままでは得られなかったであろう収入、自由、そして何より「自分の力でキャリアを切り開いている」という実感があります。
この記事で紹介した準備と思考法が、あなたの最初の一歩を力強く後押しできれば、これほど嬉しいことはありません。
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