「いつも締切ギリギリ」
「気づいたら1日が終わっている」
「やることが多すぎて、何から手をつければいいかわからない」
もし、あなたがそんな日々を送っているなら、この記事はきっと役に立ちます。僕自身、フリーランスとして独立してから、ずっと「時間」に悩まされてきました。
会社員時代は、なんだかんだで「定時」という区切りがありました。上司がいて、チームがいて、強制的にリズムが作られていた。
でも、フリーランスになった瞬間、その「枠」が消えました。
朝起きる時間も、仕事を終える時間も、全部自分で決めなければならない。自由なはずなのに、気づけば深夜まで働いていたり、逆にダラダラして1日が溶けてしまったり。
「時間を自由に使える」はずが、「時間に追われる毎日」になっていたのです。
そこから僕は、試行錯誤を繰り返しました。本を読み、ツールを試し、何度も失敗しながら、少しずつ「時間をコントロールする感覚」を掴んでいきました。
この記事では、僕が数々の失敗を経てたどり着いた「時間管理の4つの技術」を解説します。
時間管理とは、単なるスケジュール管理ではありません。限られた時間を「コントロール」し、自分の人生を取り戻す技術です。
「時間がない」が口癖になっているあなたへ。この記事を読み終わる頃には、「よし、まずはこれからやってみよう」と思えるはずです。
時間管理とは?
まず、「時間管理」という言葉の定義を明確にしておきましょう。
時間管理とは、限られた時間を最適に配分し、成果を最大化する技術のことです。英語では「タイムマネジメント(Time Management)」とも呼ばれます。
ここで大事なのは、「時間を増やす」ことではありません。1日は誰にとっても24時間。これは変えられません。
時間管理の本質は、「同じ24時間で、より多くの成果を出す」こと。そして、「本当に大切なことに時間を使う」ことです。
「生産性」との違い
「時間管理」と似た言葉に「生産性」があります。混同しやすいので、違いを整理しておきましょう。
| 言葉 | 定義 | フォーカス |
|---|---|---|
| 生産性 | アウトプット ÷ インプット(効率の話) | 「どれだけ速くできるか」 |
| 時間管理 | インプット(時間)側をコントロールする技術 | 「何に時間を使うか」 |
生産性は「作業をいかに速くこなすか」という効率の話です。一方、時間管理は「そもそも何に時間を使うか」という配分の話です。
極端な例を挙げます。
- 生産性が高いけど時間管理ができていない人: 作業は速いけど、やらなくていいことにも全力を注いでしまう。結果、忙しいのに成果が出ない。
- 時間管理ができている人: やるべきこと(重要なこと)に時間を集中させているので、多少作業が遅くても、大きな成果を出せる。
もちろん、両方できるのが理想です。でも、どちらか一つを選ぶなら、時間管理の方が優先度は高いと僕は考えています。なぜなら、「何をやるか」を間違えたら、どれだけ速くやっても意味がないからです。
なぜフリーランスに時間管理が必要なのか?
会社員には、上司がいます。チームがいます。会議があり、納期があり、強制的に「やるべきこと」が決まります。
良くも悪くも、他人が時間を管理してくれるのです。でも、フリーランスは違います。
- 誰も時間を管理してくれない。
- 自分で「今日何をやるか」を決めなければならない。
- サボっても、誰にも怒られない(でも、成果は出ない)。
この「自由」は、表裏一体の「責任」でもあります。自分で時間を管理できなければ、自由は「混乱」に変わります。
もう一つ、フリーランスにとって時間管理が重要な理由があります。
それは、時間=お金だからです。
フリーランスの収入は、基本的に「稼働時間 × 時給」で決まります。(もちろん、単価を上げたり、仕組みで稼ぐ方法もありますが、ここでは割愛します。)
つまり、無駄な時間は、そのまま収入の損失なのです。例えば、あなたの時給が5,000円だとしましょう。
- 1日1時間、ダラダラSNSを見ていたら → 年間365時間 × 5,000円 = 約182万円の機会損失
- …は大げさかもしれませんが、1日1時間でも「無駄な時間」を減らせば、その分だけ「自由な時間」や「収入」が増えるのは事実です。
時間管理は、フリーランスにとって「年収と自由」を決める最重要スキルなのです。
時間管理が苦手な人の4つの特徴
「自分は時間管理が苦手だ」と感じている人には、共通する特徴があります。
まずは自己診断として、以下の4つに当てはまるかどうかをチェックしてみてください。当てはまる項目が多いほど、時間管理に課題があるかもしれません。
① タスクを把握していない
「やるべきこと」が頭の中でぐるぐるしている状態です。
- 今日やるべきことを、紙やツールに書き出していない。
- 「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と常に何かに追われている感覚がある。
- 急に思い出して「やばい、あれ忘れてた!」となることが多い。
タスクが頭の中にあるだけだと、脳のメモリを常に消費し続けます。結果、集中力が落ち、作業効率も下がります。
対策: まずは全てのタスクを「書き出す」こと。頭の外に出すだけで、驚くほど頭がクリアになります。
② 優先順位がつけられない
全てのタスクが「重要」に見えてしまい、目の前のことから片付けてしまう状態です。
- 「どれから手をつければいいかわからない」と毎日迷っている。
- 緊急のタスク(メール返信、電話対応)に振り回されて、大事な仕事が後回しになる。
- 1日の終わりに「今日、何をやったんだっけ?」と思うことがある。
優先順位がつけられないと、「緊急だけど重要ではないこと」に時間を奪われ、「緊急ではないけど重要なこと(将来への投資)」がいつまでも進みません。
対策: 「緊急度 × 重要度」のマトリクスでタスクを分類する。特に「緊急ではないが重要」なタスクを意識的に先にスケジュールに入れる。

③ 見積もりが甘い
「これ、30分で終わるだろう」が、気づけば2時間かかっている状態です。
- 予定していた時間内に作業が終わらないことが多い。
- 「今日中に終わらせよう」と思ったタスクが、翌日に持ち越される。
- スケジュールがいつもパンパンで、余白がない。
見積もりが甘いと、計画が破綻します。そして、計画が破綻すると、「どうせ計画しても無駄だ」と計画すること自体をやめてしまう悪循環に陥ります。
対策: 最初は見積もりが外れて当たり前。大事なのは「実際にかかった時間」を記録し、次回の見積もりを修正していくこと。
④ 先延ばし癖がある
締切ギリギリまで着手できない状態です。
- 「まだ時間あるし、後でやろう」と先延ばしにしてしまう。
- 締切直前になってようやくエンジンがかかる。
- 着手してからは意外と速いのに、着手するまでが長い。
先延ばしの原因は、多くの場合「タスクが大きすぎる」ことにあります。「企画書を書く」というタスクは大きすぎて、脳が抵抗を感じます。
対策: タスクを「5分でできるサイズ」に分解する。「企画書を書く」ではなく、「企画書の目次だけ書く」「参考資料を1つ読む」など、最初の一歩を極限まで小さくする。

いくつ当てはまりましたか?
安心してください。これらは「性格」の問題ではなく、「仕組み」の問題です。正しい技術を身につければ、誰でも改善できます。
次のセクションでは、時間管理を攻略するための「4つの技術」を解説します。
時間管理の「4つの技術」
時間管理を攻略するには、以下の4つの技術を身につける必要があります。
| 技術 | 概要 |
|---|---|
| ① 計画 | いつ・何をやるかを決める。時間を「予約」する。 |
| ② 集中 | 決めた時間内に、深く没入する。 |
| ③ 振り返り | 計画と実績のズレを検知し、修正する。 |
| ④ 削減 | やらないことを決め、時間を「生み出す」。 |
これらは独立しているのではなく、PDCAのように循環しています。
- 計画(Plan) を立て、
- 集中(Do) して実行し、
- 振り返り(Check) でズレを検知し、
- 削減(Act) で無駄を省いて次の計画に活かす。
この4つを回し続けることで、時間管理の精度は少しずつ上がっていきます。それでは、1つずつ詳しく解説していきます。
【技術①】計画:時間を「予約」する
時間管理の第一歩は、「いつ・何をやるか」を事前に決めることです。
「計画なんて面倒くさい」「計画通りにいかないから意味がない」と思うかもしれません。
でも、計画を立てないということは、毎朝「今日何しよう?」と迷うところからスタートするということです。この「迷い」の時間こそが、最大の時間泥棒です。
計画を立てる目的は、「迷いをゼロにする」ことにあります。
週次計画(ウィークリープラン)の重要性
計画は「毎日立てる」のではなく、「週単位で俯瞰する」のがおすすめです。
なぜなら、1日単位だと視野が狭くなり、目の前のタスクに振り回されるからです。週単位で見ると、「今週、何を達成したいのか?」「どこに時間を使うべきか?」が見えてきます。
僕は毎週日曜日の夜に30分だけ時間を取り、来週の予定を俯瞰しています。これを「週次レビュー」と呼んでいます。
- 来週の締切、アポを確認する。
- 「絶対にやりたいこと(重要なこと)」を3つ決める。
- それらをカレンダーに「予約」する。
たったこれだけで、月曜の朝に「今日何しよう?」と迷うことがなくなります。

タイムブロッキング:時間を「予約」する技術
計画を立てる上で、最も効果的なのがタイムブロッキングという技術です。
タイムブロッキングとは、タスクに「時間枠」を割り当て、カレンダーに予約する方法です。例えば、「ブログを書く」というタスクがあるとします。
- ❌ ダメな例:「時間ができたらブログを書こう」→ 永遠に時間はできない。
- ⭕ 良い例:「火曜日の9:00〜11:00はブログ執筆」とカレンダーに予約する。
ポイントは、「時間ができたらやる」ではなく「先に時間を確保する」ことです。特に、「緊急ではないが重要なこと(第2象限)」を先にブロックしてください。

- 将来のための勉強
- ブログ執筆
- 新規事業の企画
- 健康管理(運動、睡眠)
これらは「やらなくても今日死なない」ので、放っておくと永遠に後回しにされます。だからこそ、先に時間を「予約」するのです。

【技術②】集中:深く没入する仕組みを作る
計画を立てても、その時間に「集中」できなければ意味がありません。
「集中力がない」と悩む人は多いですが、集中力は「気合」で出すものではありません。「仕組み」で作るものです。ここでは、集中力を高めるための具体的なテクニックを紹介します。
ポモドーロ・テクニック

最も有名な集中法の一つが、ポモドーロ・テクニックです。
やり方はシンプル。
- タイマーを25分にセットする。
- 25分間、1つのタスクに集中する。
- タイマーが鳴ったら、5分間休憩する。
- これを4セット繰り返したら、15〜30分の長めの休憩を取る。
「25分」という制限があることで、「いつまでやればいいかわからない」という不安が消えます。また、「あと○分」というカウントダウンが、適度なプレッシャーになり、集中力を引き出してくれます。
僕は執筆や深い仕事をするときに、必ずポモドーロタイマーを使っています。4セット(2時間)を1単位にして、午前中に2時間、午後に2時間という形で回しています。

制限時間仕事術
もう一つ、僕が実践しているのが制限時間仕事術です。
これは、あえて締切を短く設定し、締切効果で集中力を高めるという方法です。
人間の脳は、「締切」が近づくと集中力が上がります。これを「締切効果」と呼びます。学生時代、テスト前日に驚異的な集中力を発揮した経験は誰にでもあるはずです。
この効果を意図的に使うのです。
- 「この資料、今日中に終わらせよう」ではなく、「午前中に終わらせる」と設定する。
- 「1週間で仕上げる」ではなく、「3日で初稿を出す」と決める。
パーキンソンの法則によると、「仕事は与えられた時間いっぱいに膨張する」と言われています。
つまり、3日でできる仕事も、1週間あると1週間かかってしまうのです。だからこそ、あえて制限を設けることで、時間の膨張を防ぎます。


シングルタスクを徹底する
最後に、シングルタスクの重要性を強調しておきます。
マルチタスクは幻想です。人間の脳は、同時に複数のことを処理できるようには設計されていません。
「メールを見ながら資料を作る」「会議中にSlackを確認する」——これらは全てタスクの切り替え(スイッチング)を繰り返しているだけで、実際には効率が下がっています。
集中するときは、1つのタスクだけに全集中してください。
- 通知をオフにする。
- メールは決まった時間にしか見ない。
- 「この25分は、これだけやる」と決める。

【技術③】振り返り:計画と実績のズレを検知する
どんなに完璧な計画を立てても、必ずズレが生じます。
- 予想外の仕事が入った。
- 思ったより時間がかかった。
- 体調が悪くて集中できなかった。
これらは「失敗」ではありません。想定内のズレです。大事なのは、ズレを「放置しない」こと。ズレに気づき、軌道修正する仕組みを持っておくことです。
中間レビュー(1日単位)
僕が毎日やっているのが、昼休みの中間レビューです。やり方はシンプル。昼食後の5分間で、以下を確認します。
- 午前中、予定通りに進んだか?
- 進まなかったとしたら、なぜか?
- 午後の計画を微調整する必要はあるか?
これだけです。
午前中に「やばい、全然進んでない」と気づいても、午後がまだあります。ここでリカバリーできます。でも、1日の終わりに「今日、全然ダメだった…」と気づいても、もう遅いのです。
中間レビューは、1日を「2回やり直すチャンス」に変える技術です。

週次振り返り(週単位)
1日単位の中間レビューに加えて、週単位の振り返りも重要です。
僕は毎週日曜日の夜に、30分だけ時間を取って「週次レビュー」をしています。
- 今週、やりたかったことは達成できたか?
- できなかったとしたら、なぜか?
- 来週は何を変えるか?
ポイントは、「できなかったこと」を責めないことです。
「今週もダメだった…」と自分を責めても、何も変わりません。それよりも、「なぜズレたのか?」を冷静に分析し、来週の計画に活かす方が建設的です。
- 見積もりが甘かった → 次回は1.5倍の時間を見積もる。
- 急な依頼に振り回された → 「割り込みタスク用の時間」を先にブロックしておく。
- そもそもタスクが多すぎた → 「やらないこと」を増やす(技術④)。
振り返りなき行動は、改善なき行動です。 同じ失敗を繰り返さないために、週に1回は立ち止まって振り返りましょう。

【技術④】削減:やらないことを決める
最後の技術は、削減です。
時間管理というと、「いかに多くのことをこなすか」を考えがちですが、実は逆です。「いかに少ないことに集中するか」が大事なのです。
時間は「作る」ものではなく、「生み出す」ものです。そして、時間を生み出す最も確実な方法は、「やらないことを決める」ことです。
パレートの法則(80:20の法則)
パレートの法則によると、成果の80%は、20%の行動から生まれていると言われています。つまり、あなたが今やっている仕事の80%は、実はそこまで成果に貢献していない可能性があるのです。
- 毎日チェックしているけど、ほとんど意味のないメール。
- 惰性で続けている定例会議。
- 「念のため」でやっている細かい作業。
これらを思い切って削減できれば、時間は劇的に生まれます。
「やらないことリスト」を作る
ToDoリストを作っている人は多いですが、「Not ToDoリスト(やらないことリスト)」を作っている人は少ないです。
でも、やらないことを明確にしておくことで、「迷い」がなくなります。僕の「やらないことリスト」の一部を紹介します。
- メールやチャットは1日2回しか見ない。(午前11時と午後5時)
- SNSは仕事中は開かない。(通知もオフ)
- 午前中はアポを入れない。(記事制作や深く集中する時間)
- 単価の低い仕事は断る。(時給換算で○○円以下は受けない)
これらを決めておくことで、「見るべきか、見ないべきか」「受けるべきか、断るべきか」という判断を毎回しなくて済みます。
エッセンシャル思考
「削減」の考え方を体系化した本として、『エッセンシャル思考』をおすすめします。
この本の核心は、「より少なく、しかしより良く」というメッセージです。
- 全部やろうとしない。
- 本当に大事なことだけに集中する。
- 「何かを捨てなければ、何かを得ることはできない」と覚悟する。
時間は有限です。だからこそ、「やらないこと」を決める勇気が必要なのです。

時間管理を1日に落とし込む|ippeiのタイムスケジュール(実例)
ここまで「4つの技術(計画・集中・振り返り・削減)」を解説してきましたが、「具体的にどう1日に落とし込めばいいの?」と思った方もいるかもしれません。
そこで、僕の実際の1日のスケジュールを公開します。
あくまで一例ですが、「計画・集中・振り返り・削減」をどう実践しているか、参考にしてみてください。
僕の1日のタイムスケジュール
| 時間 | 活動 | 対応する技術 |
|---|---|---|
| 6:30 | 起床、朝の散歩(30分) | — |
| 7:00 | 散歩と1日のToDoの再確認 | — |
| 8:00〜12:00 | torifの記事制作・深い仕事(午前中はアポを入れない) | 【技術②集中】【技術④削減】 |
| 12:00〜13:00 | 昼食、中間レビュー(5分) | 【技術③振り返り】 |
| 13:00〜17:00 | クライアントワーク(定例会、レビュー、MTGなど) | — |
| 17:00〜18:00 | メール返信、事務作業、翌日の準備 | 【技術①計画】 |
| 18:00 | 終業 | — |
ポイント解説
午前中は「集中」に全振りする【技術②集中・技術④削減】
僕のスケジュールで最も重要なのは、「午前中はアポを入れない」というルールです。
午前中は脳が最もクリアな時間帯です。この「ゴールデンタイム」を、会議やメール返信に使うのはもったいない。
だから、午前中は執筆や企画など、「深い集中が必要な仕事」だけに使っています。
これは【技術②集中】であると同時に、【技術④削減】でもあります。「午前中のアポ」を削減することで、集中時間を確保しているのです。
昼に「中間レビュー」を入れる【技術③振り返り】
昼食後、5分だけ時間を取って中間レビューをしています。
- 午前中、予定通りに進んだか?
- 午後の計画を調整する必要はあるか?
これをやるかやらないかで、午後の生産性が大きく変わります。
午前中にうまくいかなくても、午後でリカバリーできます。でも、中間レビューをしないと、「ダメだった」と気づくのが1日の終わりになってしまいます。
アポは午後に固める【技術①計画】
クライアントとの定例会やMTGは、午後に固めています。
これもタイムブロッキングの一種です。「アポは午後だけ」と決めておくことで、午前中の集中時間を守れます。
また、アポを固めることで、コンテキストスイッチ(作業の切り替え)を減らす効果もあります。
バラバラにアポが入っていると、「9時から会議」「11時から執筆」「13時からまた会議」と、頭の切り替えが頻発します。これが意外と疲れるのです。
終業時間を決める【技術④削減】
フリーランスは「終業時間」がありません。だからこそ、自分で決めることが重要です。
僕は基本的に18時に仕事を終えるようにしています。
もちろん、締切前などは例外もあります。でも、「18時に終わる」というデフォルトを設定しておくことで、ダラダラ仕事を続けることを防げます。
パーキンソンの法則を思い出してください。「仕事は与えられた時間いっぱいに膨張する」のです。
「今日は終電まで働ける」と思っていると、実際に終電まで働いてしまいます。でも、「18時に終わる」と決めておけば、18時までに終わらせようと集中できます。
自分に合ったスケジュールを見つける
僕のスケジュールはあくまで一例です。
- 朝が苦手な人は、午後に集中時間を設定してもいい。
- クライアントワークが多い人は、午前中にアポを入れるしかない場合もある。
大事なのは、「自分のゴールデンタイム」を見つけ、そこに深い仕事をぶつけることです。
自分の1日を振り返り、「いつが一番集中できるか?」を観察してみてください。そして、その時間を「守る」ためのルールを作りましょう。
時間管理におすすめのツール4選
時間管理はツールがなくてもできますが、あると効率が格段に上がります。
ここでは、僕が実際に使っている4つのツールを、具体的な使い方とともに紹介します。
Googleカレンダー|タイムブロッキングの必須ツール
何に使う?
1週間の予定を俯瞰し、タスクに時間枠を割り当てる(タイムブロッキング)ために使います。
おすすめポイント
- 無料。 Googleアカウントがあれば誰でも使える。
- どのデバイスからでもアクセス可能。 PC、スマホ、タブレットで同期される。
- 他人との共有も簡単。 クライアントやチームメンバーとカレンダーを共有できる。
- 色分けで視覚的に区別できる。 「仕事」「プライベート」「集中時間」など、カテゴリごとに色を変えると、1週間のバランスが一目でわかる。
僕の使い方
僕はGoogleカレンダーを「時間の地図」として使っています。
- 週次レビュー(日曜の夜)で、来週の予定を俯瞰。 空白の時間を確認し、何に使うかを決める。
- 「午前中は執筆」「午後は定例」など、ブロック単位で予定を入れる。 細かいタスクではなく、「時間の使い方のカテゴリ」を入れるイメージ。
- 「集中時間」は色を変えて目立たせる。 他の予定に侵食されないように、視覚的にブロックしておく。
Todoist|シンプルで強力なタスク管理
何に使う?
タスクの洗い出しと管理に使います。やるべきことを「見える化」するツールです。
おすすめポイント
- 直感的なUI。 シンプルで使いやすい。余計な機能がなく、タスク管理に集中できる。
- プロジェクトごとにタスクを分類できる。 「クライアントA」「torif」「プライベート」など、カテゴリ分けが簡単。
- 繰り返しタスクの設定が便利。 「毎週月曜に○○」「毎月1日に○○」など、定期タスクを自動で追加できる。
- 優先度(P1〜P4)をつけられる。 今日やるべきことが明確になる。
僕の使い方
- 週次レビューでタスクをブレインダンプ。 頭の中にある「やるべきこと」を全て書き出し、Todoistに投入する。
- 優先度(P1〜P4)をつけて、今日やることを明確にする。 毎朝、P1のタスクだけを見て、「今日はこれをやる」と決める。
- 完了したタスクにチェックを入れる快感。 小さな達成感が、次のタスクへのモチベーションになる。
Obsidian|週次振り返りと計画のホーム
何に使う?
週次振り返り、計画、思考の整理に使います。いわば「第二の脳」です。
おすすめポイント
- ローカル保存で爆速。 クラウドに依存しないので、動作が軽い。ネットがなくても使える。
- マークダウン形式で自由度が高い。 見出し、箇条書き、リンクなど、自分好みにカスタマイズできる。
- ノート同士をリンクできる。 思考が繋がっていく感覚が気持ちいい。過去のメモを参照しながら、新しいアイデアを生み出せる。
僕の使い方
- デイリーノートで毎日の記録。 その日やったこと、気づき、反省を簡単にメモ。
- ウィークリーノートで週次振り返りと来週の計画。 日曜の夜に30分かけて、1週間を振り返り、来週の「3つの柱」を決める。
- 思考の整理。 ブログのネタ出し、プロジェクトの企画、読書メモなど、あらゆる思考をObsidianに集約。


ポモドーロタイマー|集中のスイッチ

何に使う?
25分集中+5分休憩のサイクル(ポモドーロ・テクニック)を回すために使います。
おすすめポイント
- アプリでもWebでも無料で使える。 シンプルなタイマーなら、どのツールでもOK。
- 「あと○分」という制限が、集中力を引き出してくれる。 締切効果を意図的に作り出せる。
- 休憩を強制してくれる。 働きすぎ防止にもなる。
ippeiの使い方
- 執筆や深い仕事をするときに必ず使用。 「さあ、やるぞ」という集中のスイッチとして機能している。
- 4セット(2時間)を1単位にしている。 午前中に2時間、午後に2時間という形で回す。
- 休憩中は席を立つ。 ストレッチ、水分補給、窓の外を見るなど、脳を休ませる。

これらのツールは全て無料(または無料プランあり)で使えます。
まずは1つ試してみて、自分に合ったものを見つけてください。ツールは「使いこなす」よりも「使い続ける」ことが大事です。
時間管理に関するよくある質問(FAQ)
最後に、時間管理についてよくある質問にお答えします。
まとめ:時間をコントロールすることは、人生をコントロールすること
この記事では、時間管理の「4つの技術」を解説しました。
| 技術 | 概要 |
|---|---|
| ① 計画 | いつ・何をやるかを決める。時間を「予約」する。 |
| ② 集中 | 決めた時間内に、深く没入する。 |
| ③ 振り返り | 計画と実績のズレを検知し、修正する。 |
| ④ 削減 | やらないことを決め、時間を「生み出す」。 |
時間管理とは、単なる効率化のテクニックではありません。自分の人生を、自分でコントロールするための技術です。
フリーランスにとって、時間は命そのものです。誰も管理してくれない代わりに、自分で管理すれば、自由と成果を同時に手に入れることができます。
「時間がない」が口癖になっている方へ。
まずは週次計画から始めてみてください。日曜日の夜、30分だけ時間を取って、来週の予定を俯瞰する。それだけで、月曜の朝の景色が変わります。
時間をコントロールすることは、人生をコントロールすること。この記事が、あなたの時間管理の第一歩になれば嬉しいです。
