「1時間で終わると思ったのに、気づいたら3時間経っていた」
「今日もToDoが消化できなかった…」
そんな経験、ありませんか?
僕はフリーランスになって5年になりますが、見積もりミスは何度も経験してきました。
特に2〜3時間の重いタスクは、オーバーすることが多い。ついつい集中しすぎたり、細部にこだわったり、そもそもタスクの中身が途中で膨れ上がったり。
でも、「なぜ見積もりが外れるのか」を理解してからは、少しずつ精度が上がってきました。
この記事では、僕が実践している時間の見積もり術と、精度を上げる4つの方法を紹介します。「思ったより時間がかかる」を卒業したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
なぜ「思ったより時間がかかる」のか
見積もり精度を上げるには、まず「なぜ外れるのか」を理解することが大切です。
実は、見積もりが外れるのは人間の脳のクセが原因。心理学の研究でも明らかになっている現象です。ここでは、見積もりが外れる3つの原因を解説します。
人は「最善のケース」で見積もってしまう
心理学には「計画錯誤(Planning Fallacy)」という現象があります。
これは、人がタスクにかかる時間を楽観的に見積もる傾向のこと。「うまくいけばこのくらいで終わる」という最善のケースで考えてしまうのです。
でも実際には、「うまくいかないこと」の方が多い。
たとえば、「この記事、2時間あれば書ける」と思っても、調べ物に時間がかかったり、途中で別の作業が入ったりして、結局3時間以上かかる。
これは意志が弱いからではなく、人間の脳の仕組みです。だから、「自分はいつも見積もりが甘い」と落ち込む必要はありません。
計画錯誤(Planning Fallacy)とは:
心理学者ダニエル・カーネマンらが提唱した概念。人は過去の経験を無視し、楽観的な予測を立てる傾向がある。タスクの所要時間を見積もる際、「最善のケース」を想定してしまい、実際よりも短く見積もりがちになる。
「想定外」は想定しておくべき
見積もりが外れる原因は、だいたい「想定外のこと」が起きるからです。
- 調べ物に思ったより時間がかかった
- 途中で割り込みタスクが入った
- 細部にこだわりすぎた
- タスクの中身が途中で膨れ上がった
でも、冷静に考えると、これらは「想定外」ではなく、「よくあること」です。調べ物が必要になるのは当たり前。途中で別の連絡が入るのも当たり前。
だから、最初から「想定外」を想定しておく必要があります。「何事もなく進む」前提で見積もるから、外れるのです。
2〜3時間のタスクは特に危険
僕の経験上、2〜3時間の重いタスクは見積もりをオーバーすることが多いです。
30分のタスクなら、10分オーバーしても大した影響はありません。でも、3時間のタスクが5時間になると、1日の計画が崩壊します。
重いタスクほど、不確実性が高いことを意識すべきです。
「大きなタスクほど、見積もりは外れやすい」
これを知っているだけで、対策が打てるようになります。
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」ということを指す「パーキンソンの法則」について解説した記事もあるので、あわせて読んでみてください。

見積もり精度を上げる4つの方法
「なぜ外れるか」がわかったところで、次は具体的な対策です。
僕が実践している、見積もり精度を上げるための4つの方法を紹介します。どれも今日から使えるものなので、ぜひ試してみてください。
方法①:タスクを分解する
大きなタスクは、小さなタスクに分解しましょう。
たとえば、「記事を書く(3時間)」という見積もりは危険です。なぜなら、「記事を書く」の中には複数の作業が含まれているから。
代わりに、こう分解します:
- 構成を作る(30分)
- 導入を書く(20分)
- 本文を書く(90分)
- 推敲する(30分)
小さいタスクほど、見積もりの精度は上がります。なぜなら、不確実性が減るからです。
「30分で構成を作る」は想像しやすい。でも「3時間で記事を書く」は、途中で何が起きるかわからない。タスクを分解するだけで、見積もりの精度は格段に上がります。
分解の目安は、30分〜1時間単位。これ以上大きいと不確実性が高くなり、これ以下だと管理が煩雑になります。
「このタスク、分解できないかな?」と考えるクセをつけるだけで、見積もりの精度は変わってきます。
方法②:過去の記録を活用する
「このタスクにどれくらい時間がかかったか」を記録しておきましょう。
似たタスクをやるとき、過去の記録を参照します。「前回は90分で終わったから、今回も90分くらいかな」と。これがデータドリブンな見積もりです。
勘や経験だけに頼ると、どうしても楽観的になってしまう。でも、過去のデータがあれば、それを根拠にできます。
記録は完璧じゃなくていい。「だいたいこのくらいかかった」というメモでも十分です。これを続けると、「自分は何に時間がかかるか」のパターンが見えてきます。
記録の方法はシンプルでOK。僕の場合、タスクが終わったら「実際の工数」をメモしています。ツールはNotionでもスプレッドシートでも、紙のノートでも構いません。続けられる方法が一番です。
次に同じToDoや似たToDoをやるときに解像度が上がり、見積もりの精度が向上します。「このタスクは前回オーバーしたから、今回は多めに見積もろう」という判断ができるようになる。
方法③:バッファ(余裕)を入れる
見積もった時間に、1.5倍〜2倍のバッファを入れましょう。
「1時間で終わりそう」なら、「1.5時間」で見積もる。「早く終わったらラッキー」くらいの気持ちでいいんです。
バッファを入れることに「サボってる」という罪悪感を持つ必要はありません。バッファは保険であり、精度を上げるための手段です。
バッファの目安は、タスクの性質によって変えます:
- 初めてやるタスク:2倍(何が起きるかわからない)
- 何度かやったことがあるタスク:1.5倍
- 何度もやっている定型タスク:1.2倍
特に、初めてやるタスクや、不確実性が高いタスクには、多めにバッファを入れる。逆に、何度もやったことがあるタスクなら、バッファは少なめでOKです。
「バッファを入れすぎて時間が余った」は問題ではありません。余った時間は、別のタスクに使えばいい。でも「バッファが足りなくて時間が足りない」は、1日の計画を崩壊させます。
方法④:「最悪のケース」で見積もる
「うまくいけば」ではなく、「最悪の場合」で考えましょう。
見積もりをする前に、こう自問してみてください:
- 調べ物が必要になったら?
- 途中で割り込みが入ったら?
- 想定外のトラブルが起きたら?
- 集中力が切れて休憩が必要になったら?
最悪のケースで見積もっておけば、余裕が生まれます。精神的にも、時間的にも。
たとえば、「この資料作成、1時間で終わる」と思ったとき。最悪のケースを想定すると、「データを探すのに30分、途中で確認の連絡が入って15分、結局2時間かかる」かもしれない。
「最善のケース」で見積もるから、外れたときにパニックになる。「最悪のケース」で見積もっておけば、予定通りに終わる確率が上がります。
楽観的な自分を疑うことが、見積もり精度を上げる第一歩です。「自分は楽観的に見積もりがちだ」と自覚するだけで、見積もりの姿勢が変わってきます。

僕が実践する「工数記録」と「1日の計画」
ここまで4つの方法を紹介しましたが、僕自身が最も効果を感じているのは「記録」です。
見積もりと実績のギャップを記録し続けることで、少しずつ精度が上がってきました。ここでは、僕が実践している具体的な方法を紹介します。
デイリーノートで「見積もり vs 実績」を記録
僕はObsidianのデイリーノートで、工数を記録しています。
やり方はシンプル。タスクが終わったら、「見積もり」と「実際の工数」、そして「ギャップ」をメモするだけです。
– torif_記事1本の公開(90分)
– 実際の工数:84分
– ギャップ:-6分
– A社_レポート作成(30分)
– 実際の工数:43分
– ギャップ:+13分
– B社_検索順位が下がった分析(60分)
– 実際の工数:65分
– ギャップ:+5分
これを続けると、「自分は何を見積もりミスしやすいか」がわかってきます。
僕の場合、重いタスク(2〜3時間)は見積もりオーバーしがち。逆に、短いタスク(30分以下)は比較的正確。この傾向がわかると、「重いタスクはバッファを多めに入れよう」と意識できるようになります。
記録のフォーマットは自由でOK。大事なのは「見積もり」と「実績」の両方を残すこと。これだけで、見積もり精度は確実に上がっていきます。
正直に言うと、記録漏れは多い
正直に言うと、この記録漏れは結構あります。
忙しいときほど、記録を忘れてしまう。タスクが終わったら次のタスクに飛びついて、「あ、記録するの忘れてた」となることが多い。
だから、見積もり精度がなかなか上がらない部分もあります。
でも、完璧にやろうとしないことが大事だと思っています。
「毎回必ず記録する」とルールを厳しくすると、続かない。だから僕は「記録できたらラッキー」くらいの気持ちでやっています。0か100かではなく、できるときにやる。
10回に1回しか記録できなくても、0回よりはマシ。その1回の記録が、次の見積もりに活きることもあります。完璧を目指さず、ゆるく続けることが、結局は一番効果があると感じています。

1日のToDoは「総時間」で管理する
見積もり精度を上げても、タスクを詰め込みすぎたら意味がありません。
だから僕は、1日のToDoを決めるとき、合計時間を計算しています。
梅(MUST):合計時間 5時間半
– タスクA(90分)
– タスクB(60分)
– タスクC(30分)
– …
僕の場合、「梅(MUST)」のタスクの合計が5〜6時間になるように調整しています。これ以上詰め込むと、100%消化不良になるからです。

1日に使える時間は限られています。会議や休憩、予定外の対応もある。「8時間働けるから、8時間分のタスクを入れる」は危険です。
「詰め込みすぎ」を防ぐために、総時間を意識する。これは「見積もり精度」とは別の話ですが、見積もりを活かすために欠かせない習慣です。
せっかく精度の高い見積もりをしても、詰め込みすぎたら意味がない。見積もりは「活かす」ところまでがセットです。

時間の見積もりについてよくある質問(FAQ)
まとめ
「思ったより時間がかかる」のは、人間の脳のクセ(計画錯誤)です。
だから、「自分はダメだ」と落ち込む必要はありません。仕組みで対策すればいい。
この記事で紹介した、見積もり精度を上げる4つの方法をおさらいします:
- タスクを分解する(30分〜1時間単位に)
- 過去の記録を活用する(データドリブンな見積もり)
- バッファ(余裕)を入れる(1.5倍〜2倍)
- 「最悪のケース」で見積もる(楽観的な自分を疑う)
そして、見積もりを活かすために、1日の「総時間」を意識する。
記録を続けることで、精度は上がっていきます。完璧にやろうとしなくていい。できるときにやる。
見積もりは「スキル」です。練習すれば上達します。今日から、1つでも試してみてください。
時間管理の全体像を知りたい人は下記の記事もあわせて読んでみてください。それではまた。


