Obsidianのデイリーノートで自己採点を始めたら生産性が爆上がりした話

Obsidianのデイリーノートで自己採点を始めたら生産性が爆上がりした話

フリーランスとして独立し、毎日必死にクライアントのために働いている。ありがたいことに仕事は途切れず、評価も悪くない。

それなのに、なぜだろう。

一日が終わり、夜ベッドに入ったとき、ふと「今日、自分はいったい何を成し遂げたんだっけ…?」と虚無感に襲われることはありませんか?

常に仕事に追われ、昨日も頑張ったはずなのに、今日も何かが足りない気がする。クライアントは満足してくれているかもしれないのに、自分自身の心は満たされない。

これまでの僕もそんな「見えない疲弊」に悩んでいました。

しかし、Obsidianというツールを使って、毎日の自分に「点数」をつけるという、あるシンプルな習慣を始めたことで、僕の世界は一変しました。

この記事では、僕がたどり着いた「自己採点システム」の具体的な作り方と、それによって生産性を上げ、心からの達成感と自信を取り戻すまでのリアルな物語のすべてをお伝えします。

目次

【前提】僕は仕事に追われていたSEOコンサルタントです

本題に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。

僕はフリーランスのSEOコンサルタントとして活動しています。以前はDeNAなどで大規模メディアのグロースを担当し、独立後も複数のクライアントワークを抱え、ありがたいことに忙しい毎日を送っていました。

しかし、その裏側で、常に生産性の課題と、先ほど述べた「満たされない感覚」に直面していました。そんな僕が、どうやってこの状況を抜け出したのか。その軌跡をお話しします。


なぜ僕は「自己採点」を始めたのか?

きっかけは、なんとなくノートの最後に書いた「今日の点数」

僕がObsidianでデイリーノートをつけ始めた当初は、特別な目的があったわけではありませんでした。その日のタスクや気づきをメモする、ごく普通のノートです。

しかしある日の夜、一日の終わりに、本当に何の気なしにこう書き足したのが全ての始まりでした。

「今日の点数:75点」

※実際のDailyノート

2025年9月21日のObsidianのDailyノートのキャプチャ画像

最初はただの気まぐれでした。しかし、次の日も、その次の日も、僕は無意識に自分の一日に点数をつけるようになっていたのです。

「そもそも、どうすれば100点になるんだ?」- 基準なき努力の限界

点数をつけ続ける中で、ある日、僕は衝撃的な事実に気づきます。

「80点の日もあれば、60点の日もある。でも、いったいどうすれば100点になるんだ?

その基準が、自分の中に全く存在しなかったのです。

クライアントが満足すればOK? 稼働時間が長ければOK? 多くのタスクをこなせばOK?

どれもしっくりきませんでした。僕は、クライアントという「他人」の評価軸だけで自分を測り、自分自身の「物差し」を持っていなかった。これでは、どれだけ頑張っても達成感が得られるはずがありません。

完璧主義に陥る原因の一つは、自分で「完了」を定義できていないことです。この点については、「完璧主義をやめたい|その原因と解決する具体的な4つの方法を解説」でも詳しく解説しています。

このままでは、いつまで経っても自分は満たされない。そう悟った瞬間でした。

AI(Cursor)との壁打ちで生まれた「自分を救うシステム」

Cursorのロゴの画像

僕は、この「100点の基準問題」を解決するために、AI(普段から伴奏してもらっているCursorくんです)に壁打ちを始めました。

「どうすれば、僕は自分に100点をあげられるだろう?」
「生産性を上げつつ、達成感も得るにはどうしたらいい?」

客観的なAIからのフィードバックを受けながら、過去のデイリーノートを分析し、試行錯誤を繰り返す日々。

そうして生まれたのが、単なる点数付けではない、僕の生産性を劇的に向上させ、自信を取り戻させてくれた「自己採点システム」だったのです。


生産性が爆上がりする「自己採点システム」誰でもできる3ステップ

ここからは、僕がたどり着いたシステムの具体的な作り方を、3つのステップで解説します。Obsidianを使っていますが、どんなツールでも、なんなら紙の手帳でも実践可能です。

ステップ1【朝の計画】100点を取るための「松竹梅ToDo」設定法

最も重要なのが、朝の計画段階です。ここで一日の「勝利条件」を自分で定義します。

ポイントは、タスクを「松竹梅」の3段階に分けること。「梅(MUST)」さえ完了すれば、その日は何があっても100点、と最初に決めてしまうのです。

【表1:松竹梅ToDoの具体例】

レベル名称定義具体例達成時のマインドセット
MUSTこれさえ終われば今日は100点と心から言える必須タスク・A社の定例資料作成
・B社の要件定義書v0.5提出
「最低限の勝利条件」
WANT100点を超えて、120点を目指すための追加タスク・torifの記事を1本公開
・営業リストを10件追加
「ボーナスステージ」
IF POSSIBLE全てが順調に進んだら挑戦する未来への投資タスク・新しいAIツールを試す
・読書
「未来の自分へのプレゼント」

※実際の2025年10月20日の松竹梅

※クライアント名やプロジェクトなどはぼかしています

この「松竹梅」の考え方は、日々のタスク管理だけでなく、フリーランスとしての時間配分戦略にも応用できます。詳しくは下記の「フリーランスの生産性を最大化する時間術」でも触れていますので、参考にしてみてください。

ステップ2【昼の修正】中間レビューで戦況を立て直す勇気

計画は、崩れるためにあります。急なクライアントからの修正依頼、予期せぬトラブル。フリーランスの日常茶飯事ですよね。

だからこそ、昼休み後などに一度立ち止まり、「中間レビュー」を行います。

  • 「梅」タスクの進捗はどうか?
  • このままで、100点を達成できそうか?
  • もし無理そうなら、午後の計画をどう修正するか?

例えば、「今日はB社の要件定義書に全集中しよう。A社の資料は明日だ」と、大胆に計画を修正する勇気が、結果的に一日の満足度を高めます。

ステップ3【夜の採点】50点の日こそが「成長の宝」である理由

一日の終わりに、朝立てた計画と実績を照らし合わせ、点数をつけます。

しかし、ここで最も重要なのは、点数そのものではありません。「なぜ、その点数なのか?」を自分の言葉で言語化することです。

特に、50点や60点といった低い点数をつけた日こそ、あなたの生産性を爆上げするヒントが眠る「宝の山」なのです。

【表2:50点の日 vs 120点の日の要因分析比較】

評価50点の日の分析(10/15の例)120点の日の分析(10/17の例)
要因1寝坊して朝の時間を失った寝坊せず、朝から活動できた
要因2ToDoを詰め込みすぎていた現実的なToDo設定だった
要因3途中でサボってしまった集中力が持続した
要因4完璧主義が出てしまった「脱・完璧主義」を意識的に実行できた

120点の成功体験を再現するのも大事ですが、50点の失敗要因を一つずつ潰していくことこそが、最も確実な成長に繋がります。


自己採点を1ヶ月続けてみたら、僕に起きた「5つの変化」

このシステムを続けて約1ヶ月。僕には、単に生産性が上がっただけではない、5つの大きな「変化」が起きました。

変化1:【自信】「今日の俺、100点!」と心から言えるようになった

ObsidianのDailyノートのキャプチャ画像(100点が取れて喜んでいる日)

一番の変化は、メンタル面でした。

他人軸ではなく、自分で決めた基準(=梅タスクの完了=100点満点)で自分を評価できるようになったことで、自己肯定感が爆上がり。

変化2:【生産性】「まゆ毛・ほほ毛現象」を発見し、無駄な完璧主義を捨てられた

ある日、僕は眉毛の手入れに1時間もかけている自分に気づきました。しかし、試しに20分で終わらせてみても、仕上がりはほとんど変わらなかったのです。

僕はこれを「まゆ毛・ほほ毛現象」と名付けました。「成果が変わらないのに、時間をかけすぎてしまう」という、完璧主義者特有の罠です。

この発見は衝撃的でした。

クライアントワークでも、「この資料の体裁を整えるのに1時間かけて、いったい成果は何点上がるんだ?」と自問するようになり、無駄な完璧主義を大胆に捨て去ることができたのです。

変化3:【コントロール感】仕事に「追われる」のではなく「追いかける」感覚へ

「完了」の定義を自分で決めることで、僕は仕事の主導権を取り戻しました。

タスクは「降ってくるもの」ではなく、「自分で配置するゲームの駒」に変わったのです。週末に少しだけ「先手」を打って来週のタスクを片付けておくと、未来の自分が楽になるという成功体験も、このコントロール感をさらに強めてくれました。

変化4:【思考の資産化】ただの日記が、未来の自分を救う「最強のデータベース」に

デイリーノートに日々の気づきや学びを書き続けることで、それらがObsidianの中に「思考の資産」として蓄積されていきます。

この記事自体も、過去のデイリーノートという一次情報がなければ書けませんでした。ただの日記が、新しいコンテンツを生み出し、未来の課題解決のヒントになる。まさに「最強のデータベース」です。

変化5:【楽しさ】クライアントワークが「自分だけのゲーム」に変わった

そして何より、仕事が楽しくなりました。

毎日の仕事が「クエスト」になり、今日は100点、昨日は50点、明日は120点を目指そう、とゲームのように楽しめるようになったのです。

(ちなみに僕はそこまでゲームは好きではありません。ただゴルフが好きでどうやってスコアを伸ばせるか?みたいな感覚に近いです。)

生産性の向上は、義務感からではなく楽しさから生まれる。このシステムは、僕にそのことを教えてくれました。


自分だけの「採点基準」を持つのはめちゃくちゃいい

他人の物差しから、自分の物差しへ

クライアントの評価はもちろん重要です。しかし、それだけで自分を測り続けている限り、フリーランスはいつまでも疲弊から逃れられません。

孤独になりがちなフリーランスだからこそ、こうした自分との対話はメンタルを安定させる上でも非常に重要です。「フリーランスの孤独との向き合い方」についても、別の記事で詳しく書いています。

フリーランスとして長く、幸せに働き続けるために、そして何より、自分自身の仕事に誇りを持つために。自分自身が、今日の自分を100点だと評価できる「物差し」を持つことが、今、あなたに必要なのかもしれません。

今すぐ始められる、最初の小さな一歩

Obsidianがなくても、高機能なツールは必要ありません。

まずは今夜、このページを閉じた後、手帳やスマートフォンのメモ帳に、こう書いてみることから始めてみませんか?

「今日の点数」と、「その理由」を、たった一行だけ。

そこから、あなたの変化は始まります。

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この記事を書いた人

フリーランスとして活動中です。得意分野はSEO / コンテンツマーケ / Webマーケティング。(SEO歴6年)。主にフリーランス、ブログ運営に関する情報を発信していきます。

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